遺留分に関する民法の特例とは?(経営承継円滑化法)|遺産相続トラブルは弁護士法人ALG&Associatesにご相談ください

お問合せフリーダイヤル

フリーダイヤル0120-522-017

携帯・PHSからも利用可能 24時間受付

弁護士と学ぶ 相続Q&A

法律相談30分無料

弁護士と学ぶ相続Q&A

遺留分に関する民法の特例とは?(経営承継円滑化法)

相談者相談者
私は、中小企業の社長をしていますが、もう70歳を過ぎたので、そろそろ引退して長男のAに会社を任せようと思っています。私が保有する会社の全株式(時価3000万円)を長男Aに贈与してしまって大丈夫でしょうか。私の資産としては、株式の他に土地(時価3000万円)があるほか、家族としては、両親や兄弟、妻は既に亡くなっており、長男Aのほかには長女Bと次男Cがおります。
弁護士 山岸弁護士 山岸
その場合、長女Bさんや次男Cからの遺留分減殺請求について対策を講じないまま、株式を後継者の長男Aさんへ譲渡してしまうと、B、Cさんの遺留分が増大してしまい、後継者Aさんの経営意欲を阻害してしまう事態が生じかねません。
相談者相談者
遺留分?減殺請求?何ですかそれは?
弁護士 山岸弁護士 山岸
まず、遺留分とは、遺言や贈与があったとしても法定相続人が取得できる一定の割合のことです。遺留分減殺請求というのは、亡くなった人の遺産の一部を私に分けてくださいという請求のことです。
今回の事例では、長男Aさんが全株式の贈与を受けた後に、社長が亡くなられると、後継者のAさんに対して、長女B・次男Cさんの各々が遺産の6分の1ずつ(遺産÷2÷3)を遺留分として請求する権利があることになります。
相談者相談者
なるほど。そうすると、私が、Aに株式(3000万円)を贈与した直後に死亡した場合、遺留分の算定基礎財産は、私が有していた土地(3000万円)と贈与した株式(3000万円)の合計6000万円ですから、B、Cの遺留分は、各1000万円(6000万円÷2÷3)ですね。
それならば、B、Cには土地(3000万円)の一部を取得させれば足りるので、Aは全株式を代償なく確保でき、会社経営をするのには特に問題はない気もします。
遺留分が増大して後継者Aの経営意欲を阻害するとはどういうことでしょうか?
弁護士 山岸弁護士 山岸
例えば、長男Aさんが会社を継ぎ、その経営手腕によって、その10年後の株式の時価が贈与時の4倍の1憶2000万円になり、この時点で先代の社長が亡くなられたとします。この時の遺留分の算定基礎財産は、先代の社長が有していた土地(3000万円)とAに贈与された株式(1憶2000万円)の合計1憶5000万円です。

そうすると、B、Cの遺留分は各2500万円(1億5000万円÷2÷3)に増えてしまうので、仮に、3000万円相当の土地をB、Cが取得したとしても、Aが贈与を受けた株式のうち2000万円相当が遺留分減殺請求の対象となってしまうため、結局Aが全株式を単独で確保するには、B、Cに対して2000万円の代償が必要となってしまうのです。
相談者相談者
えぇ、それだとAが会社経営を頑張れば頑張るほど、B、Cの遺留分も増えてしまい、Aは代償を払うことになるってことですか。
確かに、それだと、Aは経営のやる気が出ないですね…困るなぁ。何か良い方法はありませんか?
弁護士 山岸弁護士 山岸
このような遺留分減殺請求による株式の分散や後継者の経営意欲が阻害されることを防ぐため、「遺留分に関する民法の特例」通称「経営承継円滑化法」に定める手続をとることをお勧めします。
この法律は、すべての会社に適用されるわけではない点に注意が必要ですが、社長さんの会社は、3年以上事業を継続している非上場企業ですから、同法の「中小企業者」にあたりますので、同法の適用がありますよ。
相談者相談者
具体的には、どのような手続きがあるのでしょうか。
弁護士 山岸弁護士 山岸
主な手続として、株式を長男Aさんに贈与する前に、後継者を含む推定相続人の全員が、書面において
①対象自社株の価額を遺留分算定の基礎財産に算入しない旨の合意(除外合意)
②対象自社株の遺留分算定の基礎財産への算入価額を合意時の価額とする旨の合意(固定合意)

の一方もしくは双方をした後、経済産業大臣の確認、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
相談者相談者
では、①除外合意の手続をとると具体的にはどうなりますか。
弁護士 山岸弁護士 山岸
さきほどの例ですと、株式が遺留分算定の基礎財産から除外されますので、Aさんの経営手腕によってその時価が3000万円から9000万円上昇して1憶2000万円になっていたとしても、B、Cの遺留分には影響しません。B、Cの遺留分算定財産は、土地(3000万円)だけですので、その遺留分は各々500万円(3000万円÷2÷3)となり、Aは代償を払うことなく経営を続けることができます。
相談者相談者
次に、②固定合意の手続をとると、具体的にはどうなりますか。
弁護士 山岸弁護士 山岸
同じ例で、例えば、株式の時価3000万円で固定する旨の合意をしたとします。そうすると、株式時価の上昇分9000万円はB、Cさんの遺留分には影響せず、株式(3000万円)と土地(3000万円)の合計6000万円が遺留分算定の基礎財産となりますので、BCの遺留分は、各1000万円になります。そのため、B、Cさんには土地(3000万円)の一部を取得させれば足りますので、Aさんの経営権には影響が出ないことになります。
相談者相談者
なるほど!漠然と後継者に株式を贈与するのは危ないですね。経営承継円滑化法上の手続をとることを検討してみます。
弁護士 山岸弁護士 山岸
同法の適用にあたっては様々な要件があるほか、オプション合意という他の手続もありますから、事案により複雑な問題が生じます。是非弁護士へご相談ください。

相続Q&Aは、具体的な案件についての法的助言を行うものではなく、一般的な情報提供を目的とするものです。
相続に関するお悩みは、弁護士法人ALGまでお気軽にご相談ください。

弁護士と学ぶ相続Q&Aシリーズ

遺産相続に関するご相談・お問い合わせはこちら

フリーダイヤル0120-522-017

  • 電話受付無料
  • 24時間受付
  • 全国対応

携帯・PHSからも利用可能。まずは専任の受付スタッフがご相談内容をお伺いいたします。

メールでのご相談はこちら
ページの
トップへ